その値はあらゆるものに万能ではありません。
その模試の偏差値、志望校判定に有効なだけであって
他の模試の偏差値、志望校判定には当てはめることはできません。
ましてや
高校受験時の偏差値と大学受験の偏差値は全く別物です。
以前、高校受験を控えた面談の際にある保護者の方が
「○○大学の偏差値を見ると53くらいなのでうちの子は大丈夫だと思う…」
とおっしゃったことがありました。
これはよくある間違いなのですが
高校受験時の偏差値と大学受験時の偏差値は全く一致しません。
一致しないどころか、大学受験においては
高校受験時の偏差値から10や15引いた偏差値からスタートするくらいだと
考えておいたほうが賢明です。
そもそも偏差値というものは受ける模試によって大きく値を変えるものです。
大学受験では
駿台模試、河合塾模試、ベネッセ模試などのそれぞれの偏差値50は
それぞれの模試を受験する学力層のレベルが異なるため同等に扱えません。
高校受験においても
それぞれ都道府県の模試でそう大きくは変わりませんがそれでも若干異なります。
たとえば
埼玉県の北辰テストと群馬県の統一テストの偏差値を比べてみても
埼玉県の場合は
私立高校入試において北辰テストの偏差値が合格に関与してくるので
埼玉県内の中学生の9割が受験すると言われますが
群馬県の場合は
通塾している中学生しかほぼ受験しないため
割合からすれば埼玉県にはだいぶ及びません。
そのため
埼玉県のある私立高校の入試説明会では
群馬県の統一テストの偏差値はプラス2ポイントした値で考える
との説明がありました。
これは群馬県の統一テストで偏差値60であれば
北辰テストの偏差値62と同等として扱うということです。
中学受験なのか、高校受験なのか、大学受験なのか
このように偏差値とは
その模試の受験者の学力レベル層によって違ってくるもので
相対評価であり
どんな受験にでも同じように考えていいものではないということです。